ハンガリーに暮らした牛飼いのランチ。パプリカ香る『グヤーシュ』|となりの国民食

Series: となりの国民食
世界の国々で親しまれてきた代表的な食べ物をひとつずつ紹介するシリーズです。調べるだけでなく時どき自分達で作ってみたりも。
今回紹介するのはハンガリーが発祥の料理である「グヤーシュ」です。
ただ実はこの料理、地域によって呼ばれ方に結構な揺れがあります。
世界では一般的にグヤーシュ(グーラッシュ等)と呼ばれるシチューとして定着していますが、本場のハンガリーにおいてこのシチューを指す料理は「ペルケルト」と呼ばれています。ハンガリーでの「グヤーシュ」というのはもっとあっさりとしたスープを指します。
またモンゴルには羊肉料理としてアレンジされた「グリヤシ」と呼ばれる料理があったり、日本ではハヤシライスの元になった料理だという一説も。
ここで紹介するのはハンガリーではペルケルトと呼ばれる方の牛肉を使ったシチュー料理です。
大鍋で作った牛飼い達のお昼ご飯。
この料理の起源は、ハンガリーで放牧や農業に従事していた人々が仕事中に屋外での昼食のために作っていた大鍋料理です。「グヤーシュ(gulyás)」という名前も「牛飼い」を意味する言葉。
そして現在世界ではグヤーシュは「肉のパプリカ煮込み」を指す総称として用いられています。

実はハンガリーで生まれた野菜。味のポイントはパプリカ!
グヤーシュには欠かせないパプリカ、実はハンガリーでの品種改良により産まれた野菜であり、今でも国の重要な産業のひとつです。
そもそも「パプリカ」という名前自体がハンガリー語で唐辛子全般を指す言葉が由来となり定着したもの。16世紀に南米から持ち込まれて以来、とても長い間ハンガリーの食卓に欠かせない食材となっています。
おうちで作ってみました。
今回うちに無かった食材はパプリカ粉とキャラウェイシードのみ。ただしこれらもちょっと大きなスーパーの調味料コーナーに売っていたので簡単に準備は完了。

まず野菜を切って、肉と一緒に炒めます。
レシピを見るとパプリカ粉を大さじ2杯と書いてあったので、その通りの分量を入れたらパウダー内容量の半分近く無くなりました(笑)さすがパプリカ王国ハンガリーの料理です。

パプリカがベースになった味に牛肉の風味の香りが食欲をそそります。
見た目の赤さとは裏腹に、味付けは比較的あっさりで素材の味がよくわかります。
油分も牛肉の脂しかないしとろみも少ないので、思ったよりもシチューよりスープを感じさせる出来になりました。

食べやすく舌に馴染む味で、ハンガリーでは牛肉を入れますが他の肉を入れても美味しく食べられる気がします。
...きっと過去にもそう思った人達がレシピを故郷に持ち帰り、いろいろなバリーションが産まれたんでしょう。
実際に作ることで思いがけず料理が伝わった歴史に共感する事が出来て、趣深い実食になりました。
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