ダンゴムシはなぜ石の下が好き?|Non-human Likes!

つんと突つけばコロンと丸まる。
そんな面白い習性を持つこの生き物に、子ども時代は親しんだ方も多いのではないでしょうか。今回は身近なダンゴムシ(オカダンゴムシ)について調べてみました。

Series: Non-human Likes!
動物や植物、昆虫など、人間以外の好みを調べていくシリーズです。

湿った場所にいるのはワケがある。

まずダンゴムシは雑食の生き物です。
地面に落ちた枯葉はもちろん、動物や虫の死骸、菌類などやわらかいものは何でもかじり、糞としてそれらを土壌に帰します。
自然界の有機物を土に還す役割の一端を担っている存在です。

何でも食べる彼らですが、意外なことに液体の水を口から飲むことは出来ません。
水分は食事から摂る、またはなんとお尻からちゅーっと吸い込みます。

実は乾燥に弱い性質のため、彼らにとって水分摂取は死活問題であり、日が当たらない石の下や草木の下を好むのは湿った場所を求めた結果なのです。

実は虫じゃない。

日本語ではダンゴムシという名前が付いていますが、実は昆虫ではありません。

節足動物門に属する甲殻類でありエビやカニの仲間です。そのため味も悪くないようで、きちんと絶食させる等の前処理をすれば割と食べられるそうです。

昆虫食のようなSDGsに適した食料とされる未来も…もしかしたらあるかもしれません。

実は地中海からやってきた。

世界中に生息しているダンゴムシですが、いま私たちの身近にいるオカダンゴムシは日本にとっては外来種になります。
原産地は地中海沿岸であり、長い船旅に便乗して明治ごろ日本にやってきたという説が有力です。開国や文明開花の流れに乗って日本中に広がっていったと思われます。

外来種であるオカダンゴムシ以外に日本にもともと生息する種も居ますが、在来種である日本のダンゴムシは湿潤な土壌がある森林や浜辺などを住処とするなめ、なかなか出会う事はありません。

オカダンゴムシは都市化された環境でも生き延びられるため、ここまで人間の生活に身近な生き物になったのでしょう。

調べてみるほど意外な事実を知ることになったダンゴムシ、奥が深い…!

書き手
スキュー編集部

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